考え抜くまでもない。ずっと私のピアノを認めてくれなかったあの母とやっと肩を並べられるのだから。それに、私が事務所に入れば、母は私のライバルになるということだ。
「私、本腰を入れてピアノに専念したいって思ってたんです。私は正社員だし、時間的に音楽活動と両立させることは難しいかもしれません。けど、会社を辞めることになってもピアノを頑張りたい」
それが私の希望であり、答えだった。
「わかった。じゃあ、そのように俺のほうから社長に連絡入れよう。それから、イルブールでの演奏も続けられるように口添えしておくよ」
「ありがとうございます」
自分の環境が変わっても、イルブールでの演奏はやめたくなかった。あれもこれも欲張りなのはわかっているけれど、樹さんは私の気持ちを理解してくれた。
「俺も、愛美のピアノを応援したい。だから、力になれることがあれば何でも言ってくれ、俺は君の一番のファンで理解者である前に……夫だからな」
樹さんが私のこめかみに優しくキスをする。
「私も、樹さんが傍にいてくれたら心強いです」
「愛美が有名になって世界に羽ばたいても、俺はいつだって傍にいるさ、けど……」
私を胸に引き込んで、そっと頭を撫でる。温かな手が心地よくて私も樹さんの身体に腕を回した。
「私、本腰を入れてピアノに専念したいって思ってたんです。私は正社員だし、時間的に音楽活動と両立させることは難しいかもしれません。けど、会社を辞めることになってもピアノを頑張りたい」
それが私の希望であり、答えだった。
「わかった。じゃあ、そのように俺のほうから社長に連絡入れよう。それから、イルブールでの演奏も続けられるように口添えしておくよ」
「ありがとうございます」
自分の環境が変わっても、イルブールでの演奏はやめたくなかった。あれもこれも欲張りなのはわかっているけれど、樹さんは私の気持ちを理解してくれた。
「俺も、愛美のピアノを応援したい。だから、力になれることがあれば何でも言ってくれ、俺は君の一番のファンで理解者である前に……夫だからな」
樹さんが私のこめかみに優しくキスをする。
「私も、樹さんが傍にいてくれたら心強いです」
「愛美が有名になって世界に羽ばたいても、俺はいつだって傍にいるさ、けど……」
私を胸に引き込んで、そっと頭を撫でる。温かな手が心地よくて私も樹さんの身体に腕を回した。



