「タクシーがようやく来たみたいだ。行こうか」
やんわり水城さんに肩を抱かれる。
「ふたりとも失礼するよ」
後部座席に促されタクシーに乗り込むと、切なげに水城さんを見つめる梨花さんと目が合った。水城さんはそんな彼女の視線に気づいているのかわからなかったけれど、これ以上話すことは何もないと、無言で私の隣に乗り込んだ。
高松さんが梨花さんの肩に触れて踵を返すのが見える。
あれ? 高松さんの後ろ姿、なんかどこかで……気のせいかな?
何か特徴のある髪型でも背格好でもないけれど、なんとなく高松さんの後ろ姿には既視感があった。
「まさか、梨花が店の外で待ち伏せしているとは思わなかったな、すまなかった。指は大丈夫か?」
タクシーが公道へ滑り出すと、水城さんはホッとひと息ついて私の手をやんわりと握った。
「大丈夫です。なんともありません。仲裁に入っていただいてありがとうございました」
せっかくパリメラの演奏者として水城さんが私を選んでくれたのに、ピアノが弾けない指になってしまったら……と思うとゾッとする。それだけ、梨花さんは水城さんに執着していたということだ。
やんわり水城さんに肩を抱かれる。
「ふたりとも失礼するよ」
後部座席に促されタクシーに乗り込むと、切なげに水城さんを見つめる梨花さんと目が合った。水城さんはそんな彼女の視線に気づいているのかわからなかったけれど、これ以上話すことは何もないと、無言で私の隣に乗り込んだ。
高松さんが梨花さんの肩に触れて踵を返すのが見える。
あれ? 高松さんの後ろ姿、なんかどこかで……気のせいかな?
何か特徴のある髪型でも背格好でもないけれど、なんとなく高松さんの後ろ姿には既視感があった。
「まさか、梨花が店の外で待ち伏せしているとは思わなかったな、すまなかった。指は大丈夫か?」
タクシーが公道へ滑り出すと、水城さんはホッとひと息ついて私の手をやんわりと握った。
「大丈夫です。なんともありません。仲裁に入っていただいてありがとうございました」
せっかくパリメラの演奏者として水城さんが私を選んでくれたのに、ピアノが弾けない指になってしまったら……と思うとゾッとする。それだけ、梨花さんは水城さんに執着していたということだ。



