ベンチへ着くと樹はゆっくりとベンチに座る。
「理恵さんも座ってください」
樹の言葉に理恵も隣に座る。

しばらく樹は何も話さないままベンチに座り空を見上げていた。

そしてゆっくりと話し出す。

「ここに来るのは5年ぶりなんです」
「5年?」
「はい」
樹はまっすぐ前を見ながら話をする。
「この公園は私の亡くなった婚約者との思い出の公園なんです。」
樹の言葉に理恵は樹を見る。