私達は、黙って歩き続けた。
道中、風間さんは私を気遣う視線を幾度か送った。
私はそれに答える事ができず、目線を伏せたままだった。
結局朝食は摂れず、お昼になり、風間さんが岩の上に糒と豚竜の干し肉がを乗せた風呂敷を広げた。
糒はすでに水で戻されて冷やご飯状態になっていた。
「どうぞ」
差し出された糒と干し肉を見て、私のお腹がぐう、と音を立てる。
こんなときでも、人はお腹がすく。
嫌になるような、ほっとするような、複雑な心境で食事を受け取った。
米のどことなく甘い匂いと、干し肉の微かな香ばしさ。
食べ物の匂いを嗅ぐと、なんだか少しだけ気持ちが晴れたような気がした。
糒を頬張ると、微かに甘さが広がる。
最初に食べたころなんて、米の味しかしなかったのに。
なんだかまた泣き出したい気持ちに襲われた。
それを、ぐっと我慢する。
なんだか、無性にお母さんに逢いたい。
鼻を啜って、前を見た。
その先に、白いマーガレットに似た花が一厘咲いていた。
緑の草と、白い花、そこにブーンと蜜蜂が飛んでくる。
そんな光景をぼんやりと見つめて、
生きなきゃ。
何故か、そう思った。
道中、風間さんは私を気遣う視線を幾度か送った。
私はそれに答える事ができず、目線を伏せたままだった。
結局朝食は摂れず、お昼になり、風間さんが岩の上に糒と豚竜の干し肉がを乗せた風呂敷を広げた。
糒はすでに水で戻されて冷やご飯状態になっていた。
「どうぞ」
差し出された糒と干し肉を見て、私のお腹がぐう、と音を立てる。
こんなときでも、人はお腹がすく。
嫌になるような、ほっとするような、複雑な心境で食事を受け取った。
米のどことなく甘い匂いと、干し肉の微かな香ばしさ。
食べ物の匂いを嗅ぐと、なんだか少しだけ気持ちが晴れたような気がした。
糒を頬張ると、微かに甘さが広がる。
最初に食べたころなんて、米の味しかしなかったのに。
なんだかまた泣き出したい気持ちに襲われた。
それを、ぐっと我慢する。
なんだか、無性にお母さんに逢いたい。
鼻を啜って、前を見た。
その先に、白いマーガレットに似た花が一厘咲いていた。
緑の草と、白い花、そこにブーンと蜜蜂が飛んでくる。
そんな光景をぼんやりと見つめて、
生きなきゃ。
何故か、そう思った。