あの後、私達はすぐに旅立った。
 最終的に鉄次さんは私の中に魔王がいるって信じてくれたけど、亮さんは信じてくれたかどうか分からない。

 ただ、確実に、私は亮さんに嫌われていると言うことだけは、はっきりした。旅立って六日。亮さんは、ずっと私を睨んだり、険のある目で見たりする。

 騎乗翼竜に乗ってる時も、食事の時も。目が合うたびに、「なんだコラ! やんのかワレ!」という目つきで見てくる。
 気まずくっても、何とか仲良くなろうと、休憩の時に話しかけようとしたら、舌打ちされたし!

 ひどい。ひどすぎる! 私、なんかした!? と、泣き叫びだしそうになる度に、アニキと鉄次さんがフォローしてくれたけど、その度に、亮さんは舌打ちをしてきた。

 ホント、なんなんだろう。この人!

 憤慨する気持ちと、傷心が私の中で爆発する前に、私達は目的の地、附都へと辿り着いた。