シリリンシャは思う・・・

(確かあの頃は長銃をもって、盗賊や門際などとやりあったものだった)

占い師のルミが棒術を操る。
その駿速。

殺気めいた気配は武官とルミともにない。

だからこそ皇子も殿上の開けた空間から中庭を観ているのだが。

シリリンシャも皇子と同席する。

「ふむ。
占い師ルミはなかなかやるね」と皇子。

「殺気がありませんね」


「だからこそ怖い。
そう思わないか?」と皇子。

シリリンシャはしばらく躊躇い。

「殺気などを見せないのは逆にそれを読まれないためでしょう。
しかし占い師ルミは脅威ではなく味方です」

とシリリンシャ。


皇子はしばらく沈黙して両者の動きを観る。