学校の体育の時間。

今日は男女ともにバスケットボール。

隣のコートでは、男子の白熱した試合が繰り広げられていた。


今日も拓磨はカッコいい。

試合の合間の休憩中、こっそり隣のコートにいる拓磨を眺める。

さっきから眺めては、カッコいいとため息しか出ない。


「なーに見てんの?」


そんな私に近づいてきたのは、同じクラスの立花くんだ。


「私の彼氏は今日もカッコいいなーって」

「なにそれ、のろけ?」


立花くんはそう笑いながら、私の隣に腰を下ろした。


「そうだよ」

「うわぁ、認めるんだ」

「ってか女子のとこ来て大丈夫なの?」


こっち側にいる男子、立花くんだけだよ?


「先生、試合に夢中だから大丈夫っしょ」

「不良め」

「そりゃどうも」

「褒めてない」

「ってかずっと借りてたマンガ、今日持ってきたから後で返すな」

「あー、いつでもよかったのに」

「立花!なにやってんだ!お前の出番!」


立花くんはすぐに先生にバレてしまった。


「あーあ、立花くん怒られちゃった」

「うっさい」


舌をべーってしながら男子のコートへ戻っていく立花くん。

別に今言いに来なくてもよかったのにな。


立花くんと私は同じ系統のマンガが好きで。

クラスが一緒になってから意気投合した。

コートに戻った立花くんをなんとなく眺めていると、早速3ポイントシュートを決めていた。

すごーい。

立花くんて何気に運動神経いいんだなー。