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「────うん、だからね?時田も考えナシだよなあ」
「すみません朧さん……」
「逃げた奴のことなんて忘れちゃえばいいのに」
声がした。
聞き慣れていない声。だけど、聞き覚えのある声。
「……でもあれ、逃げたようには見えなくて……って、すみません!俺の分際で朧さんに意見したりして!」
「や。ここそーゆー堅苦しいとこじゃないっしょ。それに、これはどっちかっていうとオレの問題だし」
誰?
……だれ?
一瞬だけ薄っすら目を開けて、光を感じてすぐに閉じた。
ここがどんなところかわからないのだから、もう少し狸寝入りを続けて、状況を整理してもいいんじゃないかと思って。
「……あれえ、サナちゃん、寝たフリ?」