あっという間に、えみるが先輩と連絡先を交換してしまった。


「そっけなく感じたらごめんって、先に謝っとく」

「さては。既読無視の常習犯ですね?」

「いや、届いた連絡には返すよ。ただ、あまりスマホをイジらないから気づくのに遅れてしまったり。堅苦しい文章だったり。色ついたものや特殊記号みたいなものを使わないせいか怒ってると勘違いされたこともある」

「問題ないです。むしろ新鮮でオモシロいです」

「おいおい。後輩女子から面白がられる先輩って、どーなの」


 隣にいる友人から、やじられている先輩。

 そんな先輩を見て、えみるがクスッと笑った。


「あたしが先輩のメッセージを可愛くするスタンプあげますね〜」

「スタンプ? どっかに押すもの?」

「そこから説明いりますか!?」


 ねえねえ、えみる。

 オトコはちょっとダークな方がいいとか言ってなかった?


 うーむ。

 なんとも意外な組み合わせではあるが。


 目の前のやり取りを見ていて、すごくお似合いだなと思えてきた。


 もしかしたら、もしかしちゃうかもしれないな……?