桝田くんは痛みを知らない

「それで。なに買おうとしてたんだよ」

「それは……!」

「そんなに恥ずかしいもの買おうとしてたのか?」

「ある意味」

「エロ本ってわけじゃなさそうだな」

「そんなの買わないよ!!」

 ふと、桝田くんのグラスのウーロン茶が空になっていることに気づく。


 わたしもちょうど飲み終えたので、ついでに入れてくるか。

 ここは飲み放題のドリンクはセルフサービスになっている。


「飲み物入れてくる!」

「逃げんのか」

「も、戻ってきたら言うよ。桝田くんは、なにがいい?」

「同じの」

「オッケー」


 グラスを2つ持って、部屋から出る。


 成り行きとはいえ。

 男の子と2人でカラオケって初めてだな。


 いや、待てよ。

 カラオケどころか、2人で遊んだのは初めてだな?


 子供のときに、マサオミくんと地元のお祭り行ったりしたことはあっても。

 今は仲のいい男子っていないもんな。