「でも、もっと人こねーかな」


 ここは2階の、それも階段から離れた最奥なので、1階の出入り口付近よりも客入りが悪い。


 穴場的な雰囲気が恋人未満の男女でも足を運びやすいといえば運びやすいのだけど。


 どうにか人を呼び込めないものか。


「お待たせー、古都」


 えみるがやってきて、当番を交代する。

 えみるは、五十嵐先輩と学園祭をまわってきたのだ。


『一緒にまわろうよ』って誘ってくれたけど、五十嵐先輩は今年が最後の学園祭なので、2人で過ごしてもらいたくて遠慮した。


 ヨシヒサくんは――


「占いの館。大繁盛してたよ〜?」

「ほんと?」

「階段まで続いて、最後尾は下の階」

「……すご」