桝田くんの前で、下着だけになる。


「そんな恥ずかしそうにされると。意識しないようにしろって方が難しくなんだけど」


 さっきまで平気そうにしていた桝田くんの頬が、ほんのり赤くなっている。


「だって」

「ノアだけでなく。女の使用人も呼んどきゃよかったな」


 家政婦さん何人いるの?


「ちゃっちゃとやるぞ。もう適当でいいだろ」


 口ではそんなこと言いながらも、丁寧に仕上げてくれる桝田くん。


「一丁あがり」

「ありがとう!」


 もっとも、わたしはこれが百点満点中、どの程度の仕上がりか判断するだけの知識がない。

 けれど、十分綺麗に着付けしてもらえたと思う。


「帯結べるの、すごいね」


 昔、お母さんに着せてもらったときは、出来上がった帯をはめ込んでもらうタイプのものだったなあ。