「コトリ、成績悪いのか」

「……うん」

「頭よくはなさそうだもんな。この高校にいること自体が七不思議の1つだと思えるくらいには」

「どうせ、受かったのは奇跡ですよーだ」

「マサオミくん。追いかけてきたんだろ?」


 ――――!!


「それで。身の丈に合わない学校に来たから。ついてくの、大変なわけだ?」


 すべてお見通し、なんだね。


「ムカつくけど。それで俺らが会えたんだから。……まあ、よかったわな」


 そんなことを照れながら言う桝田くんが、可愛くて仕方ない。


「ひょっとして本屋で買おうとしてたのは。勉強関係の?」

「うん。参考書とか、いいのないかなーって」

「そういうことなら。選んでやるよ」

「ほんと?」

「まあ、その話は、また放課後にでも」

「……うん」