翌日、両親は帰っていった。

ふぅ………

なんだか、疲れたなぁ。

「大和さん、ありがとうございました。」

私は大和さんにお礼を言う。

「ん? 何が?」

大和さんは首を傾げる。

実の両親でも疲れるんだから、他人の大和さんは、きっともっと疲れたに違いない。

「いろいろと………
うちの両親、言いたい放題だったし。」

本当に申し訳ない。

「……… ああ!
別に気にしなくていいよ。
今は他人でも、近い将来、家族になるん
だし。」

それって…

大和さんが考えてることを想像して、なんだか嬉しくなる。

「大和さん。」

「ん?」

「好きです。」

なんだか、言いたくなって、ポロリと素直な思いが口からこぼれた。

途端に、大和さんに抱きしめられる。

「由里子、かわいい。
俺も、由里子が好きだよ。
世界でただ一人、由里子だけを愛してる。」

その夜、私たちは、久しぶりにひとつのベッドで仲良くいちゃいちゃした。

私、シンデレラじゃなくてよかった。

私は12時を過ぎても大和さんといられる幸せを噛み締めて、そう思った。