それから1ヶ月後。
毎日が仕事の日々でなんの進展もない。
鬼輝は王の仕事も行い、心身ともにボロボロに近づいている。
「王さま。少しお休みください」
「これが終わったら休む」
「いえ、今お休みください」
「無理」
「王さま……」
使用人達は裏ですごく鬼輝のことを心配している。
香りの良いお茶を上げても、一気飲み。
マッサージ師を呼んでも10分足らずで終わらせるし。
「どうしたらいいのかな」
「わかんない。」
「もう出来ることないんじゃない?私たちの立場で口出しすること出来ないし」
「まーね、ほかの王に比べてしてる方だと思うけど」
「……じゃぁさ、鬼虎組呼べば?」
「「!!それいいかも!」」
トントントン、鬼輝のへやのドアをノックする音が部屋に響く。
忙しいのに誰?
「なんだ」
「お客様です」
客?そんな予定無かったけど……。
「そんな予定無かったけど。今忙しいからまた今度にして」
「……えっと」
「モー何」
「そんな言い方しないで……」
「紗夜!?なんで!」
「なんでって、キキが最近休んでないって聞いたからきた。」
「誰が?ってあなた達が?」
照れくさそうに使用人達は部屋から出ていった。
ん?それならほかの4人もくるはずだけど?
「ほかの4人は……呼んでない」
「なんで?」
「だって取られるから」
「ふっ可愛いね、紗夜は」
「可愛くない」
使用人の作戦は大成功。
それからは、ちゃんと休みを取るようになった。
しっかりしなきゃ。



