どれだけ倒しても、一向に減らない。
空中からの攻撃に対応出来る妖怪は少なく、圧倒的に不利な立場に立たされている。
そんな時、後ろから、心強い2人が駆けつけてくれた。
心音と心花は、次々に敵を倒す。
また、鬼虎組のみんなも集まってくれた。
「みんな!行くぞ!」
「「はい!」」
勢力はまし、どんどん烏を倒していく。
しかし……。
相手の妖怪の中には回復をさせることが出来る妖怪がいた。
「龍は、いつ来る?」
「透さま。今先程、見てきましたら全ての烏がやられていました」
「流石だな」
『お前ら、早くヤツらを殺さんか』
『はっ。』
影分身だろう。
今いる烏より、2倍3倍と増えていく。
力も強くなり、笑う暇などありゃしない。
いろんな力を使っても効かないため、もう諦めかけている時。
後ろから赤い炎が襲ってきた。
「何これ?!熱くない」
「でも、あいつらは熱がってるよ!」
『なんだ、これ。皮膚がただれる』
『うわ!飛べない』
「お主ら。何度警告されたらわかる。
今回は生きて返さないからな」
凄い殺気と力を放出して出てきたのは、鬼輝だった。
オッドアイだった目は、赤く染まり、白い髪の毛の所々に赤毛が出てくる。
鬼である角が2本生え、首元には王の印が浮き出てくる。
背中からは七色の翼が生えている。
「なに、あれ」
「初めて見た。王さまが怒ってるところ」
『おまえら。怯むな、いけ』
一斉に飛びついてくるも、鬼輝の炎でほとんどが全滅していく。
烏の数は半分以下になり、生き残っている者も戦える状態ではない。
「みなさがっとれ」
「でも」
「早く」
「俺も戦う!」
「透。お前は私の次に偉い立場に立っとるのじゃ。お前もいなくなったら妖怪界は本当に終わるぞ」
「じゃぁ、キキが下がれ!」
「透さま。王さまに向かってその口の利き方はいけません」
「五月蝿い」
鋭い目に誰も口答えが出来なくなった。
『わしが相手してやろう』
「小娘よ。透に任せとけ」
「龍!」
「はよ」
渋々と鬼輝は、後ろに下がりほかの妖に被害がないように最大のバリケードを貼った。
「王さま。よくご無事で」
「ひよじぃのおかげだよ」



