「ごめん、ちょっと一人にして……」

「あ………うん」

声をかけたそうな友達に言って、私は一人誰もいない場所を探して、人気のない階段の影に小さくなった。

……失恋をした。最悪な。

碓氷くんが美結ちゃんを好きなことを見ていればわかった。それでも告白をしたかった。

昨日のは、私のやり方もよくはなかったと思っている。美結ちゃんをけなすような言い方をしてしまった……。

碓氷くんを、怒らせてしまった。

「ふっ………」

今さっき、昨日の返事があって……ああ、トドメ刺された。

碓氷くんは美結ちゃん以外には、嫌われても全然問題ない人なんだ……。

美結ちゃんだけが、本当に特別なんだ……。

碓氷くんの瞳に少しでも映りたくて、勉強を頑張って成績をあげて……でもそんなの、全然意味がなかった。

……碓氷くんに、……美結ちゃんにも、嫌われちゃったかな……。

「あーあ。想の奴ぜってー後で後悔すんぞ」