母さんの言葉を聞いて、東輝と小唄は目を見開いていた。
尚を『いい子』って言ったのに驚いたんだろう。
尚の奴、保護者の前では猫被っているから親ウケはいいんだよな。
うちの両親も騙されている中の二人だ。
「美結ちゃん、ちょうどお菓子作ってたの。手伝ってもらえる?」
「はいっ」
僕の、美結をそっちにいさせてという視線を受け取ってくれた母さんが、美結をキッチンに呼ぶ。
東輝と小唄でも、美結と至近距離にいさせたくない。
母さんは色々と聡いからいつも助かる……。
「ねー、ここで待ってればわかるの?」
「そのうち弾丸みたいに来るよ」
小唄に答えて、母さんが準備してくれていた紅茶の用意を継ぐ。
「なんか……想ってそういうの似合うよな」



