「想、次俺をお前らの痴話喧嘩に巻き込んだら、入学する前に里宇のことバラすからな……!」 「申し訳ありませんでした!」 僕は即座に頭を下げた。 「え、想ってまだなんか秘密あるの? 俺らの知らないこと?」 小唄が興味深々の様子で訊いて来る。 ……バカ弟はここを第一志望にしているから、たぶん入ってくるだろう。あの格好で……。 なんだろう、里宇が女顔だったことが総ての原因なんだろうか……。 「四月になったら自動的にバレるよ……」 僕は遠い目をして言う。