下校する人もまばらになった頃、美結が小走りでやってきた。 「美結」 「ごめん、待たせちゃって」 「大丈夫だよ。仕事、終わった?」 「うん、鍵も返して来た。帰ろ」 「ん」 学校から手を繋ぐのは美結が恥ずかしがるから、いつも道の途中で僕から美結の手を取る。 今日もそうだった。 手を絡めると、美結は少し俯き加減で握り返して来た。 「想……」 「なに?」 「……ごめん、試験の、結果……」