「……っ」

明らかに攻撃する語調の僕に驚いたのか、三人のうち誰一人として、それ以上言葉を重ねなかった。

一方的に僕が睨んでいると、急に肩に重みが乗った。

「おーい。こいつ、今機嫌最悪だから喧嘩売らない方がいいよ? 想にも、美結にも」

尚だった。

少し離れた位置にいる新垣は両手で肩にかけた鞄の取っ手を摑んで、険しい顔をしていた。

「え、俺喧嘩売られてたの?」

僕が尚に問うと、「これだからど天然は」と呆れたように言われた。