「……でも、俺と付き合ってるせいで美結の成績が落ちたとかだったら、もっと自分をゆるせなくなる。美結の将来の邪魔を、俺がしてるってことだから」

美結は、たくさんの未来を描ける。

成績はさることながら、運動も出来るし、社交的な性格だ。

今回の試験で、美結が描ける未来の一つに、僕は泥をつけてしまったんじゃないだろうか……。

「……想ってとことん美結至上主義なのな」

尚が壁に寄りかかってため息をつく。

「当たり前だろ。……ずっとほしかったんだから」

美結が彼女になって、はっきり言って僕は浮かれている。

しかもきっかけが美結からキスされたことだからね? 僕はあの日からずっと有頂天もいいところだ。

「これが、関係壊れるのが怖くて告白出来ませーん、とか言ってたヤツとは思えねーよ」