「……ごめん」

「ありがとう、のが嬉しいかな」

「…………がと」

「うん」

僕が美結を連れて帰ると、母さんは目を丸くして驚いていた。

「美結ちゃん⁉ と、とにかくお風呂入ってあったまりなさい! 服は想のやつの方がいいよねっ?」

僕らより混乱している母さんが、美結を風呂場に投げ込んだ。

「あの、でも想の方が――」

「女の子の方が身体冷やしちゃダメ! 想は着替えておけば大丈夫だから!」

母さんに押し切られて、美結は風呂場にいるしかなくなった。

「美結、ちゃんとあたためてから出て来て。じゃないとまた風呂場に投げ込むから」

「……は、はい……」

僕も強い口調で言うと、美結はこくりと肯いた。

僕は一応着替えて、ドライヤーで髪だけ乾かしてみた。

「想、美結ちゃんどうかしたの?」