「―――」

唐突な僕の切り替えしにびっくりしたのか、美結は僕を見上げて来た。

「例えば、俺が美結を好きだって自覚する前だったとしても、途中で美結が折れてたら、俺は美結のとこにいたよ。で、美結が立ち直るまで傍にいた。

美結と競っていたから楽しかったんだ。ほかの人じゃダメ。……心配しないで。今まで頑張ってくれてありがとう。

美結が頑張り続けることは否定しないし、止めもしない。でも、いつ折れても、折れそうになっても、俺が美結の傍にいることは、確かだから」

「……憶えてたんだ……」

「うん。大事な美結からの言葉だから。全部憶えてるよ」

「……出来たら忘れてほしい……」

「無理だなー。死んでも忘れない」

――本当に。美結は僕の一生の人だから。

「だから、安心してがんばって」

僕の言葉に、美結は小さく「うん」と答えた。