「びっくりした」

今日はいつも通り、美結と二人の帰り道。

美結は長い息をともに吐き出した。

「愚弟が美結にまで被害こうむって申し訳ない……」

「そんなことないし、そこじゃないよ」

「じゃあ、どこ?」

「想が……」

「俺?」

「………」

身を屈めて美結の顔を覗き込むと、顔はそのままに目線だけ逸らされた。

え……俺、なんかしちゃったかな……。

「想、が……なんか、妬く、みたいなこと言ったから……」