「……養子? 美結は……知ってんの?」 「知らないよ。両親は、美結が二十歳になったら話すつもりらしい。僕から先に話す気もないし」 「――兄さん」 「うん?」 「詳しく話してもらおうか」 「あ……ハイ」 兄さんを近くの公園に引っ張って行って、ベンチに座らせた。 「両親は、美結に恋愛をさせたくなかったんだ。でも美結が想を大好きだって知って、美結が本当に好きな人と一緒にいる未来を描いてね。美結に自由をあげたんだ」