「お、落ち着け想! 尚哉も知ってて黙ってのか⁉」
「先輩が、『僕が言ったってことは忘れるんだよ』って言ったら、からっと忘れてるから言わない方がよかったのかな、って」
「塚原のお兄さんなんのプロなんですか⁉ 催眠術師なんですか⁉」
「想、しっかりしろ!」
そんな……僕、自分で記憶がないうちにそんな刷り込みをされていたなんて……。
「想が震え出したーっ! 尚哉! 笑ってないで助けて!」
「ごめ……っ、やっぱ面白すぎ……っ」
「んじゃ、想行こっか」
「お兄さん! うちの想で遊ばないでください!」
「うちの想は今一番幸せなときなんですから!」
「えー。その言い方、君らも想で遊んでるでしょ?」
!
僕は瞬時に尚の背中に隠れた。
「想! そいつが一番お前で遊んでるから!」
東輝が叫んだ。
……あ、そうだった。



