「んなわけあるか。なんで兄さんがあんなこと言ってるのか、俺にもわかんないよ」
美結にとんでもない誤解を受けていた。即刻、原因である兄さんを退治したくなった。
「うちの家族はみんな、想のこと大好きだねえ」
「なんであそこまで歓迎されてるのか謎だよ……」
「想が素敵な人だからだよ」
―――(∞
最早言葉にもならなかった。
美結は天使の生まれ変わりどころじゃないかもしれない。
「美結」
「うん?」
見上げて来た美結の頬に手を添える。
「改めて、よろしくお願いします。恋人として」
「う、あ……はい。こちらこそ、よろしくお願いします……」
照れいっぱいの美結に、そっと口づけた。



