あっさりと返して来た兄さん。
そのあと、ぱっと笑顔になった。
「じゃ、想から聞けたしお兄ちゃんは安心して帰るね」
「……ほんと何しに来たんだ、あんた」
「美結をからかいに来たに決まってるだろ?」
「殴ろうか?」
偉そうに言う兄さんに、拳を見せた。ひっと息を呑まれた。
「……美結のこと、頼みます」
「勿論です」
そう言って兄さん、出て行った。
ぱたん、と、入って来た時は正反対に静かな音で扉が閉まる。
「美結。俺らだけだよ」
まだ顔を伏せている美結の頭を撫でる。
美結はそろりと頭を動かした。
隠れていた目と視線が合う。
「想……お兄ちゃんとできてたの……?」



