思わず美結と顔を見合わせてしまった。 美結の顔も驚いている。 確かに僕らが小学二年生の頃、六年生の兄さんは児童会長だった。 つまり僕は兄さんの手の平の上だったと……? 「そんなことされなくても好きになってるよ……」 僕がぼやくように言えば、美結が抱き付いて来る腕の力が弱まった。 うん? 「美結?」 「ほ、ほんと?」 「ん。ほんと」 美結に返す僕を見て、兄さんが言った。 「……想ってツラの皮厚いよね」 「兄さんに言われる筋合いない」 厚顔無恥はそっちだろう。