「手塩にかけて、だろ。あと悪いけど、俺は兄さんに育ててもらった憶えないんだけど」
僕が反論すると、兄さんはくわっと牙を剥いた。
「僕は育てた憶えあるよ! 想が美結のこと好きになるように色々仕掛けたんだから!」
「お兄ちゃん⁉」
「何やってんだあんた!」
思わず美結と二人で怒鳴ってしまった。
「えーとね、まずは想が美結と二人きりになる機会を増やしまくったでしょ? 学校の当番とかも想と美結が一緒になるように、児童会長の職権乱用しまくって取り計らったり……」
「「………」」
え、そうだったの……? 全然知らなかった……。



