ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】


「美結、もう兄さん来ないから、大丈夫だから」

「……ごめん」

「謝ることじゃない」

うつむいたままの美結の頭を撫でる。

すると、ふにゃっとした笑顔になる美結。

なんだ、この癒しの生物は。もはや美結からマイナスイオン出ているようにしか見えないよ。

「そ、想? 本当には、殴らないよね……?」

「美結が嫌がる事したら兄さんでも殴るよ?」

余裕で。

僕が笑顔でそう告げると、兄さんは顔を引きつらせた。

そして一歩後ずさった。

「そんな……手に塩をかけて育てて来た想にそんなこと言われるなんて……」

胸のあたりまであげた両手を震わせる兄さん。おい。