「もう、誰にも渡さないから…誰にも告白なんてさせないか…」


ちゅ…


口唇の端にキスを落とされて、泣きそうになった。


ねぇ、ジーザス? 

私の今まで積み上げられてきた憂鬱という大きな岩は、これから粉々に砕かれるのでしょうか?

じんくんは、私が運命の人だと幸せそうに笑ってくれるけど、私にとってもじんくんという人は運命の人だから。


これからも、ずっとずっと隣りにいて?
これからも、ずっとずっと好きって言って?


そして…これからも……沢山のキスをして?


「じんくん、大好き大好きだよ…」

「うん。静紅ちゃんの100倍俺は静紅ちゃんが好きだけどね」

「もー…そういうこと言うと、こうなんだから…」

「っ!〜〜っ!静紅ちゃん、それ反則」


100倍好きって言われたから、私はそれ以上だと言わんばかりに、彼の頬にキスをしてから、照れるのを隠すのに下を向く。


すると、すぐに顎を掬い上げられて、視線を合わせられる。

「この…小悪魔ちゃんを独り占め出来るのは俺だけ。ね?」

「……ん?」

「なんでもないよ。ほんと、好き。ねぇ…もう一回好きって言って?」


背中を撫でながら、そんな風に言われてしまったら、もう逆らえことなんか出来なくて…。


「す、き……」


そう言って、じんくんの胸の中にすっぽりと入り込んだ。