「実はさ…」
「…うん?」
「あの日、子猫…静紅ちゃんを見掛けた時に…なんか運命みたいなものをどこかで感じてたみたいで…」
そう言うと、じんくんはほんのりと顔を赤くする。
私はそんなじんくんが愛しくて、すりっとじんくんに寄り掛かった。
「だからかなー…さっきお姫様抱っこした時、拒まれてショックだったのと同時に、なんとしても静紅ちゃんを見つけなきゃって思ったんだ」
きゅうっ
じんくんは、私を離さない。
それどころか、指を絡めて、おでこにキスをしてくる。
「も、もう…じんくん…恥ずかしいよ…」
「んー…かーわい。静紅ちゃん…可愛い。ほんと、可愛い…」
「じんくん!それは、言い過ぎ…だよ?」
ぼぼぼっと顔から火が出そうになる。
でも、じんくんの視線は柔らかくて…私はそれ以上何も言えなくなった。