「静紅……」

「じん、くん……」


そっと、触れるか触れないかの、小さなキス。
くすぐったくて…胸が切なくて、私はじんくんのシャツに縋って呼吸を繰り返す。


「かーわい。もう…こんなんじゃ足りないくらい…」


そのまま、キスはどんどん深くなって、私は乱れた息をなんとか逃がして、じんくんを見つめた。


「そんな目で見ないで?我慢してた分…ヤバいから…」


じっと見つめ返してくるじんくんは、少し高揚した顔付きで、ぺろり、と自分の口唇を舐めた。

「ヤバい…な…静紅ってば、可愛過ぎ」

「そんなこと…」

「なくないよ…ほら…」

と、手を取られてそのままじんくんは自分の胸の辺りに押し付けた。


とくん、とくん


早なる鼓動。
じんくんも、私と同じなんだと思ったら、とても嬉しくなる。


「好き」

「何回言っても、足らないね」

「うん」

そしてまた軽くキスをしてから、鼻を擦り合わせて笑い合った。