他に、言いたいこと……。
「俺が他の女と遊んでもいいの?」
ぜったい確信してるから、ずるいと思う。
答えないでいたら、また唇が落ちてきた。
中島くんの手が後頭部のうしろに回って、ちょっと強引。だけど、すぐに離れていく。
やっぱり短い。
「……ね、どうなの?」
意地悪く笑いながら聞いてくる。
その表情を見てわかった。
最初からわざとだったんだ。
女の子に気のいい態度を取ってたのも、帰るって言ったのに対して、あっさりうなずいたのも。
また、キス──────
と思ったら、
ギリギリで寸止め。
ひどいよ。 答えないと、してくれないんだ。
「……やだ」
「なにが?」
「……他の女の子と遊ばないで……」
「わかった」
「あと……、」
私以外には、こういうことしないで……。
さすがに恥ずかしくて口には出せなかった。
それでも、中島くんはきっとわかってると思う。
「可愛いね」
って笑いながら、今度は長いキスをしてくれた。
ときどき離して、じっと目を見つめて、焦らしたりしながら。 こっちからねだらないと、なかなか続きをしてくれなくて。
意地悪だけど、ちゃんと素直になったら甘やかしてくれる。
本当にずるいやり方。
日を重ねるごとに好きが増えていくから、この先がちょっと不安になった。



