でも、遼くんにだってまともに触れられたことがない場所に到達すると、我慢はそろそろ限界になってくる。
「だめ、やめて……。なんかヘンな声でるからやだ……っ」
身体をよじってもびくともしない。
「いーよ」
「え……」
「可愛いから出して。もっと」
いじめるような、甘やかすような、支離滅裂な目つきだった。熱を纏って、ぜったいに逃してくれない。
「噛まないで唇、」
「っ、……ん」
「噛むなって」
下から煽るように見つめられてぞくりとした。
ああ、だめ。
中島くんは男なんだって、いやってくらい実感させられる。
「はのん可愛い、見せて」
不安も嫉妬もぜんぶすくい取ってくれる。
長い間さんざん可愛がられて、頭がクラクラし始めたころ。中島くんが合図のように、長くて甘いキスを落とした。はあ、と熱い吐息。
トン、と下腹あたりに手を置いた中島くんは、円を描くよう周辺をやさしく撫でる。
「ゆっくり広げるから」
もう1回、今度は触れるだけのキスをしたあと
「……おれ、の」
かすれた声が耳元で響いた。



