名前を呼ぶと、その口元が妖しく緩む。
キスを続けながら、下着に手を掛けて、ゆっくりと体重をかけられれば、もう……。
そのまま、流されてしまえば良かったのに。
可愛くない私は、慣れてる中島くんにどうしても嫉妬してしまう。
「や、だ……っ。なんか、やだ……」
胸板を押し返して、呼吸を整えようとする。
「ここでタンマ食らうのは、さすがに鬼畜なんだけど」
「だって、慣れてるもん……やだ」
「慣れてる?」
「中島くん、こーいうこと慣れてる……」
可愛くない、可愛くない。
こんなこと言ったらだめって
わかってるのに。
「何回くらい、したの……今まで」
いきなり目の奥がじわっと熱くなって、涙がぽろぽろ溢れてくるからいよいよ、本格的に面倒くさいオンナになってしまった。



