……でも。
モヤモヤが消えない。
その態度が、どうしても、私が隣にいるから“ 仕方なく ” 断ってるように見えてしまうから。
無理、だけじゃなくて
ちゃんと、
彼女がいるから
……って、言ってくれたらいいのに……。
────それとも私が彼女だって知られたくないのかな。
私が彼女だと、恥ずかしいとか……思うのかな。
そんなマイナスな考えばかりが浮かんでくる。
「えー、じゃまた今度ね。あっ、コーラいる?」
「お、やった。サーンキュ」
差しだされた缶コーラを、パッと目を輝かせて受け取る中島くん。
隣でムスッとした顔をするのもだめだと思うから、にこにこ、笑顔を貼り付けてるけど。
女の子が立ち去ったあとは、なかなか明るく振る舞えなくなってしまった。



