「中島、どうした?」
本多の顔見たあと、灰田たちと喋ってたら思いのほか時間が経ってた。
家出てから、ちょうど1時間くらい。
「悪い、先帰る」
どうせ、いないだろうけど。
半分あきらめた気持ちで部屋を出た。
帰り道でコーラを買って、歩きながら飲む。
空っぽの自分の部屋が何回も頭の中まわって、足取りが重くなる。
帰るのが怖くなってきた。
立ち止まって息を吐く。
ふとポケットに手を突っ込んだら、スマホの感触がして。そのまま取り出して、画面を開いた。
──────ら。
「えっ?」
思わず声が出た。
画面に現れたメッセージの通知。
ドキッと心臓が動く。
【 早く帰ってきて。 さみしいよ 】
左上の名前。
上月はのん。
確かめるように指先でなぞってみたら、なんか、わけもなく泣きそうになった。



