【まだ帰ってこないの?】
最初から送信するつもりはなくて、ただ打っただけ。
ワガママな女って……1時間も待てない女って思われたくない。
ほんとは寂しい。寂しい。
でも呆れられたくない。
ちょっとくらいなら待てるもん。
帰ってきて、一緒にいられるなら全然待てるし。
自分に言い聞かせて、バツボタンを押して文字を消していく。
だけど、この気持ちをわかってほしくて、またキーボードに手を伸ばした。
眠気に襲われながらも、素直な気持ちを打ちこんでいく。
【 早く帰ってきて。さみしいよ 】
………こんなの、送れるわけない……。
再びバックスペースを押した
─────と、思っていた。
気づかないまま、眠りの世界へと落ちてしまった
──────そのすぐ上にある
送信マークに指が触れていたなんて。



