中島くん、わざとでしょ【番外編】



さりげなく絡めていた指をするっと解かれた。
隣に座ったまま、無言でスマホをいじり始める。

微妙にあいている肩と肩の隙間がもどかしい。




手、離さなくてもいいじゃん。
そう思いながらも自分から触れる勇気はなくて。


うつむいていると、中島くんのスマホが音を鳴らした。

電話。


女の子だったらどうしようって画面を盗み見たら、表示されていたのは『灰田』という名前。

よかった……なんて思った直後、電話を切った中島くんが立ち上がった。




「ちょっと出てくる」

「えっ?」

「すぐ戻るから。 部屋好きに使ってていい」

「あ……」



返事をする間もなく、ハンガーにかかったジャケットを肩にかけて出ていってしまった。


静かな部屋に残される。



ちょっと出てくるって、どこに行くの?

すぐ戻るって、どれくらい?



部屋好きに使っていいって言われても、一人じゃなにもすることないし。

こんな重い女の子の日は、隣にいてくれるだけでよかったのに。