中島くん、わざとでしょ【番外編】




西高が、ほぼ男子校化していてよかったって、さいきん心からそう思う。



中島くんは放課後に、よく西区の繁華街に遊びに連れて行ってくれるようになった。

それはとても嬉しいこと……なんだけど。




毎回、必ずと言っていいほど、すれ違う女の子に声をかけられる。
中には、私が隣にいても構わず、遊びに誘ってくる女の子もいて。



……今だって。





「琉生〜、今帰り?」




近寄ってきたのは、私なんかよりずっと可愛くて色気もある女の子。


ミルクティー色の髪をさらさらなびかせて、中島くんに無邪気な笑顔を向ける。





「ねえ遊ぼーよお」


隣にいる私には目もくれず、甘えた声を出して。



「んー、無理」



中島くんは一応、毎回、断ってはくれる。