家に帰った私は、母さんが書いてくれた手紙を開いた。

陽向と話してもう一度手紙が読みたくなったから・・

『愛笑へ

今、あなたは何歳ですか?

今、誰とどこで生活をしていますか?

今、あなたは笑顔で生きていますか?

愛笑が今この手紙を読んでいるということはきっと私はもうこの世にはいないでしょう。

まずは謝らせてください。

本当にごめんなさい。

お父さんのことも含めて本当にごめんなさい。

許してなんて言えないけど
どうかこれだけは信じて。

私もお父さんも、愛笑のことを本当に愛しています。

今も、ずっと。

愛笑という名前には
「ずっと愛にあふれた笑顔でいられますように」という意味が込められています。

お父さんとお母さんはお互いの笑顔を好きになったから、
愛笑もずっと笑顔で幸せに過ごせますようにという意味を込めました。

お父さんのことできっと今
とてもつらい思いをしているんじゃないかと思います。

でも、どうかそれを乗り越えて、笑顔で幸せに生きてください。

それがお母さんとお父さんからの最後のお願いです。

私たちはどこかで必ず愛笑の成長を見守っています。

そして、
愛笑がいつまでも愛にあふれた笑顔でいられるように
お父さんもお母さんもずっと願っています。

愛笑。

お父さんとお母さんの娘に生まれてきてくれてありがとう。

あなたに出会えて本当によかった。

どうか笑顔で幸せに生きてください。

お母さんより』

読み終えた手紙をぎゅっと握りしめた私は、

もう一度実の両親のお墓参りに行くことを決めた。