「最初から、サッカー部の練習試合見に行こうって言っても来てくれないでしょ。
今日が、翔大と咲野君のデビュー戦だから・・。
どうしても花と一緒に観たかった・・。
だましてごめんね。
花・・。」

結愛・・。

ありがとう。

「でもね、この作戦を提案したのは川瀬君だよ・・。」

えっ

「なんで・・。」

「咲野に聞いたんだ・・。
別れたって・・。」

川瀬君も知ってたんだ・・

陽向と別れたこと。

「ただのお節介かもしれないけど、俺にできることはこれしかないから・・。
こんなことしかできなくてごめん・・」

お節介なんかじゃないよ・・

本当はすごく観たかった・・。

陽向も初レギュラーの試合は絶対観に行くねって陽向と約束してたから。

でもそれは、付き合ってた頃のこと・・

普通に誘われてたら私はきっと行かないって言ってたと思う。

「ありがとう・・。
川瀬君。結愛。」

「花、行こ!」

「うん。」

「俺は、別で観るから・・。
2人で楽しんで・・。」

そういって川瀬君はどこかに行ってしまった・・。

私たちもなんとかグラウンドが見えるところまで行けた・・。

「ありがとね・・。結愛・・。」

「私、川瀬君のこと見なおした!
ちなみに今日のこと、翔大も知ってるよ!」

あっ、だからか。

朝、翔大とお母さんが変だったのは・・。