夕方になると俺たちは観覧車に乗った。

2人だけの空間で景色を見ていられるこの時間が俺は好きだった。

ふと、花を見ると・・

今朝会った時とおんなじ悲しそうな顔をしていた。

今にも泣きだしそうな、本当に悲しそうな表情。

俺は思わず声をかけた。

「花・・?
どうかした?」

すると、花はきれいな笑顔を俺に向けた。

「大丈夫。
私、陽向のこと好きになれてよかった・・。
本当に・・。」

花がそう言ってくれて俺は素直にうれしかった。

俺が泣きそうになるよ・・

「俺も、花を好きになってよかった。」

俺がそう言うと、花は少し照れくさそうな表情をした。

「私、この前は恥ずかしくて言えなかったんだけど・・
私は、陽向と翔大と結愛の4人で遊園地に来たあの日に、
陽向のことを好きになったの。」

「えっ、
そうだったんだ。」

俺はとても驚いた。

「結構前から、俺ら両思いだったんだな・・」