会社を出ると、まだ昼間のような明るさ。GWも過ぎ、これからどんどん陽が延びて行く時期だ。


もっとも、こんな明るい時間に退社出来るのも今のうちだろう。先輩達を見てれば、よくわかる。


今日は夕飯は1人、弟も妹も大学生になって、家で夕食を取る機会が目に見えて減った。俺は結構摂ってたけどなぁ、って俺は比較の対象にならんか。


亡くなった婆ちゃんが、手料理が大好きで、また上手だった。俺達に出来合いのものなんか絶対に食べさせない人だったし、外食もあまり好まなかった。


その影響を色濃く受けた俺は、かなりの料理好き、料理自慢となったが、さすがに1人じゃ作る気もせず、帰り道のスーパーで冷凍食品を買って帰った。


婆ちゃんが見たら、こんなものを食べてたら、身体を壊すと怒るだろうし、俺もかつては同じ考えだったけど、今や冷凍食品は俺の飯の種。毛嫌いしているわけにもいかないし、食べるのも仕事のうちだと思うようになった。


冷凍食品の種類の多さ、旨さには驚いた。こんなものも冷食であるんだ、冷食ってここまで美味しく出来るんだと感心もさせられた。でも俺達は更に美味しいもの、新しい商品を追い求めて行かなくちゃならない。簡単な話じゃないけど、やり甲斐も感じる。


夕飯を食べながら、フッと石原のことが頭に浮かぶ。そろそろ上がれたかな、なんて考えてしまった。


皮肉なことに、振ってから、余計にアイツと接触する機会が増えたような気がする。


俺はともかく、アイツは本当は気まずい思いをしてるんだろう。


申し訳ないとは思ってるけど、アイツには俺なんかより、相応しい奴がきっといる。俺はアイツの良き同僚になれるように頑張るだけだ。


でも、本当にそう思ってるんなら、俺はどうして、アイツの合コン参加を邪魔しちまったんだろうな・・・。