「俺は石原をずっと誤解していた。お前を翔真を傷付けた連中の仲間だと思い込んでた。」


「澤城くん・・・。」


「それだけじゃない。あの時、石原がくれた手紙を中も確認せずに、俺はお前の目の前で破って、お前に投げつけた。」


あれは・・・やっぱりショックだった。


「すまなかった。」


そう言って、私に深々と頭を下げる澤城くん。


「あの時、偉そうなことを言ってしまったけど、人の気持ちを考えてなかったのは、俺の方だった。石原をどんなに傷付けたか、後悔してもしきれない。本当にゴメン!」


懸命に謝罪してくれる澤城くんの姿に、私は静かに言った。


「もういいんだよ。頭を上げて、澤城くん。」


「でも・・・。」


「仕方ないよ。ボタンのかけ違いって、きっとこういうことを言うんだよ。」


「石原・・・。」


頭を上げて、私の名前を呼ぶ澤城くんの表情は、苦しそうだった。


「あの時、確かに悲しかったし、切なかった。美里を全く恨まなかったと言ったら、それは間違いなく嘘。でも私は澤城くんも美里も嫌いには、なれなかった。あれからも美里と親友でいられて、本当によかったと思ってるし、結局叶わなかったけど、あなたを想い続けたことも後悔してないよ。」


私はそう言い切っていた。