お彼岸やお盆の時ほどではないけど、GWということで、墓参の人は、それなりにいた。


澤城くんに案内されて、佐久間くんのお墓の前に立つと、きれいな花が手向けられていた。


「翔真の両親だろうな。」


澤城くんの言葉に頷いた私達は、用意して来たお花やお線香を手向ける。


「翔真、覚えてるか?中学校の時に同級生だった小川と石原が来てくれたぞ。どうしてもお前の墓参りがしたいって、言ってくれて。2人共、こんなに綺麗になっちまって・・・眩しくて、俺は恥ずかしくって、2人とよう話せん。後はお前に任せるよ。」


「サワ・・・バカ。」


照れ臭そうにそう言うと、美里は澤城くんに変わって、墓石の前に立つと、水を手向け、そして静かに一礼すると、手を合わせる。


心の中で、一所懸命に佐久間くんに話し掛けているに違いない美里の姿を、私は澤城くんと並んで、見つめていた。


何分経っただろうか。合掌が解け、またお墓に一礼した後、私達を振り返った美里の目には、光るものが・・・。


「ゴメン。いろいろ翔真くんに話してたら、長くなっちゃって。」


そんなことを言う美里に、静かに首を振った私は、彼女と入れ替わるように、墓石の前に立つと、佐久間くんのご冥福を改めて祈って、静かに手を合わせる。


そして、私のお祈りが終わると


「小川、石原、ありがとう。翔真も喜んでるよ。」


澤城くんはそう言うと、私達に頭を下げた。