休日にしては、早めの朝食を済ませて、後片付けは引き受け、それも終わり、表面上はまったりと。でも実は石原のことが気になって、どうしようもないのだが、とにかく座っている。


9時半になると、朝帰りで何時まで寝てるだろうと思っていた弟が、ノソノソと起きて来た。


「ケン兄、一回貸しだからね。」


妹に睨まれた健吾は


「スマン、まさか2人ともこんなに早く起きるとは思わなかったんだよ。」


と言い訳。


「そういうお前も朝帰りにしちゃ、早起きじゃないか?」


とツッコんでやると


「今日も約束があって、出掛けるんだよ。」


「あっ、私も午後から女子会。晩ごはんいらないから。」


おぅおぅ、パワフルですな、2人とも。まぁ、せっかくのクリスマスだ、せいぜい楽しみなさい。


で兄貴はどうするの?なんて野暮なことは、2人とも聞いてこない。どうせまた、引きこもりでしょって思われてるから。


すると、インターホンが鳴った。


「誰だろ、こんな朝早くに。」


と首を捻りながら、モニターを見た栞菜は


「あっ、美里さんだ。」


小川・・・俺が思わず表情を固くしたのにも気付かず


「美里さん、久しぶり〜。ちょっと待ってて、すぐ開けるから。」


と明るく言った妹は、玄関に出て行った。


「いらっしゃい。どうしたの、こんな早い時間に?」


呑気に聞く栞菜に


「サワは?」


と厳しい声で聞く小川。仕方ないから


「どうした?」


と何食わぬ顔で出ていくと


「あんた、何してんのよ!」


と怒鳴りつけられた。


「なんだよ。」


「いくら電話しても出ないから、まさかと思って寄ってみたら・・・本当に何考えてるの?」


と小川は怒り心頭。